離れた声を聞き易くする方法

今回は補聴器ユーザーのみならず、難聴では無い健聴の方も含めて離れた声の聞き取りでお困りの方に提案します。

 

通常人の声は離れれば離れるほど聞き取りにくくなります。これは、全ての人に共通の問題です。

最近の補聴器はワイヤレス対応の機種も増えてきましたので、離れた声でお困りの方にはワイヤレスシステムの利用をお勧めします。

では、どのようなワイヤレスシステムがあるのでしょうか。

店主が個人的に推奨したいのは、ジーエヌリサウンドの「マイクロマイク」(税込 37,800円)です。

マイクロマイク

実際の大きさは5.3×2.5×2cmとかなり小型です。また、重さは僅か17gと軽量です。

使い方としては、話し手の胸元につけるか、テーブルに置くかして使います。ちなみに最大通信範囲は25mです。イメージとしては25mプールの両端同士の会話が聞こえるイメージになります。

テーブルに置いて使うイメージはこんな感じです。

テーブルマイク

テーブルの中央にマイクがありますから、周りに座っている全ての人の声が直接耳に届きます。

ジーエヌリサウンドのワイヤレス機能付き補聴器を使用の方でしたら、マイクロマイクが直ぐに使えます。

 

また、まだ補聴器はちょっと・・・とお考えだが、離れた声でお困りの方は補聴器をマイクロマイクの受信機として必要な時のみ装用することもいいとは思います。

例えばこんなケースが想定されます。

・広い会議場で声が聞き取れなく困っている

・テレビ会議の声が聞き取りにくいが自分だけ大きく聞こえるようになりたい

・講演会でしっかり聞きたい

・教室で講師の話が聞き取りにくい

などが挙げられます。

ちなみに一からワイヤレスシステムを使用する場合は

ジーエヌリサウンドのワイヤレス機能付き補聴器 120,000円から

マイクロマイク 37,800円

が必要となりますので、少なくとも16万円程度のコストがかかります。

マイクひとつで暮らしが変わるかもしれませんね。

 

なぜ講演会は聞こえにくいのか

普通の会話なら補聴器で十分聞こえる方も、講演会などは苦手の方が多いのはなぜでしょうか。

もちろん近くの声と遠くの声でしたら、当然遠くの声のほうが聞き取りにくいのですが、それ以外の原因はあるのでしょうか。

その答えは「マイク」かもしれません。

理由としては、

1.音声は機械を通すと歪む

話者の肉声がマイク→アンプ→スピーカーを通ることで、歪が生じます。

2.座る場所や音響設備の問題

施設によっては音響設備が簡易的な物が使用されていたり、座る場所によって音圧不足になることがあります。

3.反響しやすい壁や天井により残響音がある

壁や天井の材質や構造により、スピーカーからの直接の音声に加えてすこし遅れた反響された音声が何重にもなって聞こえることがあります。また、低音域の反射音が子音をマスキングして聞こえにくくなることもあります。

 

それでは、補聴器をご使用の方はどのようにすれば「マイク」の声(テレビや電話も含めて)が聞き取りやすくなるのでしょうか。

理想はワイヤレスシステムを利用して、音声を直接補聴器に飛ばすことですが、

調整で対応しようとしますと、

1.補聴器の指向性モードを利用して、反響音を拾う範囲を少なくし直接音の比率を高める。

2.残響による子音のマスキングを減らす為、高音域強調のプログラムにする。

3.スピーカーから発せられた音声を必要以上に抑えないようリニア増幅を使ってみる

などがいいでしょう。

 

 

 

補聴器でテレビを聞こえやすくするには

難聴の方にとってテレビの聞き取りは難しいと言われます。

基本的に補聴器は会話の聞き取りを改善する補装具なので、テレビの聞き取りを改善する器械ではありません。

難聴の程度が進むに連れて、また、言葉の聞き分けの力が悪くなるに連れてテレビは聞こえにくくなります。

また、ニュース番組は聞こえやすいが、ドラマやトーク番組は聞き取りにくくなります。これは、ドラマやトーク番組では、話し手が横を向いていたり、小声や早口で何人かが同時にしゃべったり、笑い声やBGMに声がかき消されるなど単純に音の大きさの問題でない原因があります。

それでは補聴器ではテレビの音声は聞き取れないのでしょうか?

 

いいえ。

聞き取る方法はいろいろあります。

まずは、補聴器の調整です。

プログラムが複数使える補聴器でしたら、テレビ用のプログラムを作るのがいいでしょう。

通常のプログラムは、雑音を抑制する機能を取り入れていますが、テレビの音声を雑音を認識している場合などは雑音抑制の機能を解除すると明瞭度が上がります。また、会話の中心周波数帯を強調する音響特性にするのもいいでしょう。また、大きな音を押さえ込む機能を緩くしてみるのも一つの選択肢です。

次にテレビの設定の調整です。

まず、テレビの音声をステレオからモノラルに変更してみるのもいいでしょう。音の広がりがあると聞き取りにくい場合があります。それと、部屋が反響しやすい造りでしたら、カーペットを敷いたり、カーテンを閉じたりすると吸音効果もあります。また、字幕表示も視覚的な補助となることでしょう。

最後にワイヤレスシステムの活用です。

各メーカーが用意しているワイヤレスシステムでテレビの音声を直接補聴器で聞くと聞き取りは劇的に改善します。ただし、テレビ以外の音が聞こえなかったり、使える補聴器が限定されるなど注意が必要です。

以上の方法はあくまで一例ですので、まずは担当者に相談してみて下さい。

 

フォナックの「ロジャーペン」は便利です

ロジャーペン

この写真は何? 万年筆?ボールペン?

正解は「ロジャーペン(Roger Pen)」です。

まず、ロジャー(Roger)とは2.4GHz帯のデジタル無線方式を用いた補聴援助システムのことで、ペンタイプのマイクロホンが「ロジャーペン」です。

では、ロジャーペンで何ができるのでしょうか。主な機能は3つあります。

1.騒がしい場所や離れた場所にいる人の声をワイヤレスで届けます。室内でしたら15mくらいまで使用可能です。言葉の明瞭度が最大54%アップしました。

2.携帯電話で相手の声をハンズフリーで届けます。Bluetooth機能で携帯電話とワイヤレスで繋がります。

3.テレビや音楽プレーヤーの音声をワイヤレスで届けます。ロジャーペンの充電スタンドはテレビや音楽プレーヤーに繋ぐ機器として使用できます。

それでは、ロジャーペンをどのように使うのでしょうか。3つのスタイルがあります。

1.卓上での使用。無指向性でテーブルの中央に置いて使用し、ミーティングなどで便利です。

2.首にかけて使用。携帯電話で通話をする時や1人の話者が話す時に便利です。

3.相手に向けて使用。指向性で1対1や少人数での会話に便利です。

ちなみにロジャーペンの価格は109,000円(税抜)です。但し、単体だけでは使用できず、必ず受信機が必要になります。

受信機は以下の通りです。

ロジャーエックス 価格92,000円(税抜)他メーカーの耳かけ型補聴器にも使用できるユニバーサル(3ピン)タイプの受信機です。オーディオシューも使用します。

ロジャーマイリンク 価格65,000円(税抜)Tコイル内蔵の補聴器に対応。

Roger10/11/13/15/16 各92,000円(税抜)フォナック補聴器専用受信機でオーディオシューは不要です。

ロジャーフォーカス 価格76,000円(税抜)補聴器は不要です。一見補聴器のように見えますが補聴器ではありません。レシーバ内蔵受信機です。

ロジャーペンを使用するには17万円以上のコストがかかりますが、聞こえの不自由には応えてくれます。また、手頃な価格の「ロジャー クリップオンマイク」(価格 66,000円税抜)もありますので、予算的にちょっとという方にはこちらもお勧めします。

 

イージーテック(easyTek)は便利なワイヤレスリモコンです。

イージーテック(easyTek)

シーメンス補聴器の新製品バイナックス(binax)専用のワイヤレスリモコン「イージーテック(easyTek)」が好評です。単純なリモコン機能のみならず色々な機器とワイヤレスで繋がるのはとても便利とのお声をいただいています。

機能としては

1.補聴器のリモコン

補聴器本体やタッチコントロールアプリでもリモコンとしての機能はありますが、イージーテック(easyTek)にもリモコンの機能は搭載されています。ボリューム操作やプログラム切り替えなどが簡単に出来ます。

2.スマホで通話・音楽を聞く

Bluetooth対応の電話機であれば、ハンズフリーで電話がかけられます。また、Bluetooth電話で再生した音楽や動画音声をワイヤレスで補聴器で聞くことが出来ます。

3.3.5mmステレオジャックからの直接入力

携帯音楽プレーヤーなどの音声を直接入力して聞くことができます。

4.テレビの音声をワイヤレスで聞く

別売りの「ボイスリンク」が必要になりますが、10mの距離までワイヤレスでテレビの音声を聞くことが出来ます。

5.イージーテックアプリ

スマホがイージーテック(easyTek)の画面の代わりに使えます。マニュアル指向性の調整や電池残量のチェックが出来ます。

が挙げられます。

価格は54,000円(税込)ですが、バイナックス(binax)の機能をフルに活かすにはイージーテック(easyTek)は欠かせません。普段は首に掛けておくだけですので、是非ご活用下さい。

講演会などで聞こえやすくする方法

一般的に補聴器は3~5m程度離れた声までは聞こえやすいのですが、遠方の声となると聞こえにくくなります。昨日も「講演会での話をよく聞きたい」とのご要望があり、ワイヤレスシステムの説明をしましたが、同じような悩みをお持ちの方も多いかと思いますので当店取扱メーカーのワイヤレスシステムを紹介したいと思います。

ジーエヌリサウンド

テレビや携帯電話や会話相手の声をワイヤレスシステムで聞くことが出来ます。ジーエヌリサウンドでは中継器を使用しなくて直接音声を補聴器で聞くことが出来ます。両耳で補聴器を使用の場合ですと、音声を両耳でステレオで聞けることも魅力です。但しワイヤレスシステム使用中は、補聴器の電池消費量が通常の約3倍となりますので注意が必要です。当店お勧めのシステムは「マイクユナイト」(価格 32,400円)です。

マイクユナイト

会話相手の胸元に装着すれば、騒音の多い街中や相手が離れた(10m程度まで)場所にいる場合でも会話が聞き取りやすくなります。講演会の場合でしたら、演者の前かスピーカーの前に設置すれば離れていても聞きやすくなります。もちろんテレビのスピーカーの前に置けばテレビも聞きやすくなります。

 

フォナック

ジーエヌリサウンドと同様のワイヤレスシステムがありますが、使用するには「コムパイロット」(価格 32,400円)が中継器として必要になります。離れた声を聞く場合は、「リモートマイク」(価格 30,240円)を使用します。

リモートマイク基本的にはジーエヌリサウンドと同じシステムですが、最大20mまで離れていても使えることと中継器を使用することで音質が良くなっていることが特徴です。

 

シーメンス

離れた声を聞くには「ボイスリンク」(価格 12,960円)と「ミニテック」(価格 43,200円)のセットが必要になります。ボイスリンクはマイクで拾った音声を無線で飛ばすシステムですが、本体がやや大きいのが気になります。

ボイスリンクまた、最新機種バイナックスで使用するには「イージーテック」(価格 54,000円)が必要になります。

 

以上のことから、手軽にワイヤレスシステムを使用したいのでしたら、コストパフォーマンスに優れたジーエヌリサウンドのマイクユナイトを推奨します。但し使用できない補聴器機種もありますので、ご購入の際には使用の補聴器機種をご確認下さい。