高度・重度難聴の補聴器調整

一般的に高度・重度難聴の方の補聴器の調整は難しいと言われています。

それは、なぜでしょうか?

 

こんな原因が考えられます。

 

・高い利得を必要とするので、ハウリングが起こりやすい。

当然のことですが、利得を上げれば上げるほどハウリングは起こりやすくなります。特にハウリングが起こりやすい高音域の利得が上げられないことがあります。

・語音弁別能が低い場合が多い。

語音弁別能が低いと補聴器では効果が出ない場合もあります。

・ダイナミックレンジが狭い場合が多い。

利得を上げると響きやすく、また利得を下げると聞き取りにくい傾向にあります。

・周りが騒がしいと会話の聞き取りが困難になりやすい。

高度・重度難聴レベルになると、騒がしい場所での聞き取りが苦手になります。

 

以上のことを踏まえて、具体的にどのような調整が有効になるのでしょうか。

 

いろいろな視点はあるとは思いますが、以下の方法が有効ではないかと思います。

 

・両耳装用

片耳で補聴器を装用しているのなら、両耳での使用が好ましいです。

・リニア増幅

最近のデジタル補聴器は殆どがノンリニア増幅を採用していますが、リニア増幅の方が合う場合があります。

・ワイヤレス機器の活用

ワイヤレスで電話音声やテレビ音声を聞くことで効果がある場合があります。ワイヤレスマイクの活用も有効です。

・人工内耳

場合により人工内耳も選択肢の一つになります。

 

 

補聴器でテレビを聞こえやすくするには

難聴の方にとってテレビの聞き取りは難しいと言われます。

基本的に補聴器は会話の聞き取りを改善する補装具なので、テレビの聞き取りを改善する器械ではありません。

難聴の程度が進むに連れて、また、言葉の聞き分けの力が悪くなるに連れてテレビは聞こえにくくなります。

また、ニュース番組は聞こえやすいが、ドラマやトーク番組は聞き取りにくくなります。これは、ドラマやトーク番組では、話し手が横を向いていたり、小声や早口で何人かが同時にしゃべったり、笑い声やBGMに声がかき消されるなど単純に音の大きさの問題でない原因があります。

それでは補聴器ではテレビの音声は聞き取れないのでしょうか?

 

いいえ。

聞き取る方法はいろいろあります。

まずは、補聴器の調整です。

プログラムが複数使える補聴器でしたら、テレビ用のプログラムを作るのがいいでしょう。

通常のプログラムは、雑音を抑制する機能を取り入れていますが、テレビの音声を雑音を認識している場合などは雑音抑制の機能を解除すると明瞭度が上がります。また、会話の中心周波数帯を強調する音響特性にするのもいいでしょう。また、大きな音を押さえ込む機能を緩くしてみるのも一つの選択肢です。

次にテレビの設定の調整です。

まず、テレビの音声をステレオからモノラルに変更してみるのもいいでしょう。音の広がりがあると聞き取りにくい場合があります。それと、部屋が反響しやすい造りでしたら、カーペットを敷いたり、カーテンを閉じたりすると吸音効果もあります。また、字幕表示も視覚的な補助となることでしょう。

最後にワイヤレスシステムの活用です。

各メーカーが用意しているワイヤレスシステムでテレビの音声を直接補聴器で聞くと聞き取りは劇的に改善します。ただし、テレビ以外の音が聞こえなかったり、使える補聴器が限定されるなど注意が必要です。

以上の方法はあくまで一例ですので、まずは担当者に相談してみて下さい。