以前、補聴器も将来的には自宅で遠隔操作によって調整する時代がくるかもとお伝えしていましたが、8月から無店舗で遠隔操作によって補聴器を販売する会社が出現する見込みです。
N社と言います。(シンガポールの会社の日本法人です)
ちなみに世界初のリモートボックスを使用して、補聴器を遠隔操作し調整するそうです。
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IT機器を使いこなし、近くに補聴器店が無い方には向いていると思いますが、色々な問題点があります。
以下店主が感じた問題点を挙げたいと思います。
1.耳あな型補聴器が無い
対面でインプレッション採取が必要な耳あな型補聴器はこのシステムでは無理です。使用できるのは耳かけ型補聴器(それもRICタイプのみみたいです)だけです。
2.高度・重度難聴には不適合
通常高度・重度難聴の方の場合、イヤモールドが必要になりますが、上記理由から作成出来ません。ですので、軽度・中度難聴までの方が対象になります。
3.イヤホンでの聴力測定は正確でしょうか
サイトの案内に従って聴力測定が出来るシステムですが、当然ですがオージオメーターによる聴力測定に比べて精度に疑問があります。また、骨導聴力・マスキングはありませんし、言葉の弁別も測っていません。
4.高齢者にIT機器は使いこなせるのか
リモートボックスやiPadなどのIT機器が自宅に届くそうですが、それを使いこなせるかは疑問です。
などなど問題点はありますが、いい点もあります。
1.月額の会費制で補聴器が使える
片耳月額4,600円、両耳月額7,900円で補聴器が使用できます。所謂リース契約です。3年で買い替えるか会費を下げてそのまま使用するか選べるそうです。通常補聴器は一括払いですので、ハードルが低くなります。
2.辺鄙な場所にお住まいの方には便利
例えば離島や山奥などなかなか補聴器販売店まで行けない方には便利だと思います。
いずれにしても、新しい試みなのでお手並み拝見というところですね。