高齢になる前に補聴器の早期装用をおすすめします

最近、90歳以上の方で補聴器を初めて使用したいとお考えの方の問い合わせが増えてきています。

もちろん、本人様からの問い合わせではなく、ご家族様からの問い合わせが殆どです。

しかし、一般的に言って高齢になればなるほど、補聴器が適応しない場合が増えてきます

その原因は以下のことなどが挙げられると思います。

1.本人様の装用意欲の欠如

実際に訪問して話を伺うと、

本人「補聴器は使いたくない。」

家族「補聴器をぜひ使って欲しい。」

の構図がよくあります。

あくまで使用するのは本人様ですから、仮に補聴器を購入しても宝の持ち腐れになる可能性が高いです。

やはり、高齢になればなるほど新しいことに取り組む意欲は低下しますので、早めの対策が肝要です。

2.言葉の聞き分け能力の低下

長年難聴の状態が続いていると、聴力以上に言葉の聞き分け能力が低下していることがよくあります。

補聴器はあくまでその方の言葉の聞き分け能力を補助してくれますが、その人の代わりに言葉を聞き分けてくれる魔法の器械ではありません。

ですので、聞き分ける能力が十分あるうちからの補聴器装用が望ましいのです。

3.身体能力の低下

補聴器を使用するには、少なくとも自分で補聴器を装用できる手先の器用さが必要です。実際、自分で補聴器の装着が出来なくて使用を断念する方もいます。

また、電源の入り切り、電池の交換、補聴器の掃除などある程度補聴器を管理する能力も必要です。

それらの能力はやはり年齢とともに低下しますから、できるうちに補聴器デビューしておかないと、手遅れになる場合もあります。

以上のように難聴を意識してからの期間が長くなるほど、補聴器の適応が難しくなケースが増えてきますので、やはり補聴器は早期装用されることをお勧めします。

難聴になるとどのような状態になるのか

健聴の方にはぴんとこない内容とは思いますが、難聴になると以下の状態が現れます。(家族を夫婦に置き換えてもいいでしょう。)

・家族との会話が上手く聞き取れず、ついつい相槌で誤魔化してしまう。

・聞こえないことで家族と喧嘩することがある。

・家族の会話に加われなくて、段々孤立してくる。

・聞こえないことで、家族との会話が無くなって来る。

・大声で会話をしているので、周りから喧嘩をしているように見られてしまう。

・聞こえに自信がないので、ついつい外出の機会が減ってくる。

・電話の会話が分からないので、電話に出ることが出来なくなる。

などの状態が挙げられます。

これは難聴の悪循環で、聞こえない→ 会話が無くなる→ 言葉の聞き取りの力が落ちる→ ますます聞こえなくなるの負のスパイラルに陥ります。

補聴器はあくまで聞こえの補助をする補装具ですから、難聴の程度が進むほど効果が少なくなります。

ですから、やはり早めの装用をお勧めします。