なぜ補聴器はすぐに効果がでないのか

補聴器を初めて試した方によく言われるのが、

「補聴器を試したけど、効果が感じられない。」

「自分には補聴器が合わなかったから、使わない。」

「眼鏡みたいに、着けたら補聴器はすぐに聞こえると思っていたのに・・・」

などのお声をいただきます。

確かに、補聴器は着けてすぐに良く聞こえる魔法の器械ではありません。

なぜならば、音や言葉は脳で聞いているからです。

難聴の方の脳は、音が入ってこない静かな状態にいるため、あまり音を処理しない状態に慣れてしまっています。

補聴器をつけて再び音が聞こえてくると、たとえそれが本来必要な音の刺激であったとしても、その刺激に脳がすぐには慣れないことがほとんどです。

そのため、難聴の方が初めて補聴器をつけた時は、単純に「騒がしい」と感じてしまうのです。

ですので、脳に音や言葉を聞くトレーニングが必要になります。

トレーニングと言っても、難しいことをする訳ではありません。

補聴器を調整しながら、徐々に慣らしていくだけです。

すると、脳が再び音に慣れて、周囲の音から必要な音を聞き分ける力もついてきます。

ですので、「自分には補聴器が合わないから使えない」とあきらめるのは早いですよ。