補聴器でバランス感覚はよくなるのか?

高齢者が難聴になると、転倒のリスクが高くなると言われています。

また、最近の研究では、「難聴が転倒のリスクを3倍上昇させ、難聴を補聴器で補うことにより高齢者の転倒リスクを低減させることができる」との報告もあります。

アメリカのセントルイス・ワシントン大学で「高齢難聴者はきこえを改善することでバランス感覚が向上する」という研究結果が最近発表されました。その内容は以下の通りです。

 

補聴器装用者にバランス感覚のテストを行い、補聴器の電源を入れている時と、入れていない時の成績を比較しました。

その結果、補聴器に電源が入っているときの方が成績が良好であることが分かりました。

 

この成績の結果から、

「人は視覚から空間的な情報を得ています。例えば、誰もが視覚からの情報が無い、暗闇や目を閉じているときの方がふらつきやすい傾向があります。

人は平衡感覚を維持するために、視覚からだけでなく、聴覚からの情報も使っています。

聴覚の基準点や目印として音が必要なのです。

聴覚からの情報が充分でないと、視覚からの情報が充分でないときと同様に平衡感覚が悪くなるのではないでしょうか。」

と結論付けています。

 

転倒のリスクを軽減する為にも、補聴器の積極的な装用が望ましいかもしれません。

 

 

 

 

 

2017年4月24日 | カテゴリー : 未分類 | タグ : | 投稿者 : 玉腰

聞こえにくいと転びやすくなるのか

以前、「聞こえにくいと転びやすくなるのでしょうか?」とお問い合わせをいただいたのですが、明確な回答が出来なくて困ったことがありました。

最近のアメリカでの臨床ケースを入手しましたので、情報として参考にしていただけたらと思います。

まず、良く知られている転倒の原因として、放置されている難聴があります。

難聴は複数の研究において転倒リスクの大幅な増加と関連づけられています。例えば軽度難聴の人は、健聴の人に比べ転倒した経験が3倍近く多く、難聴が10dB進むごとに転倒のリスクは1.4倍増加します。

転倒は怪我や入院に繋がります。アメリカでは65歳以上の3人に一人が毎年転倒しており、転倒によって致命的もしくは多くの怪我を負っているとのデータがあります。

では、なぜ難聴になると転倒のリスクが高くなるのでしょうか。以下の理由が考えられます。

・聞こえにくいと自分の全体的な環境を上手く認識できないため、つまずいたり転倒したりする可能性が高くなります。

・難聴になると認知負荷が高くなります。平衡や足取りを維持するため脳が支配され聞き取りや音情報を処理する為に緊張を強いられてしまう。

・蝸牛の障害に、平衡感覚を損なう前庭機能障害が含まれる場合がある。

 

以上のことから、転倒のリスクを減らす為にも難聴の方は補聴器の装用が望ましいと言えるのではないでしょうか。