普通の会話なら補聴器で十分聞こえる方も、講演会などは苦手の方が多いのはなぜでしょうか。
もちろん近くの声と遠くの声でしたら、当然遠くの声のほうが聞き取りにくいのですが、それ以外の原因はあるのでしょうか。
その答えは「マイク」かもしれません。
理由としては、
1.音声は機械を通すと歪む
話者の肉声がマイク→アンプ→スピーカーを通ることで、歪が生じます。
2.座る場所や音響設備の問題
施設によっては音響設備が簡易的な物が使用されていたり、座る場所によって音圧不足になることがあります。
3.反響しやすい壁や天井により残響音がある
壁や天井の材質や構造により、スピーカーからの直接の音声に加えてすこし遅れた反響された音声が何重にもなって聞こえることがあります。また、低音域の反射音が子音をマスキングして聞こえにくくなることもあります。
それでは、補聴器をご使用の方はどのようにすれば「マイク」の声(テレビや電話も含めて)が聞き取りやすくなるのでしょうか。
理想はワイヤレスシステムを利用して、音声を直接補聴器に飛ばすことです。
例えばフォナック補聴器のロジャーなどの活用です。
フォナック補聴器のロジャーにつきましては、こちらを参照下さい。
補聴器の調整で対応しようとしますと、
1.補聴器の指向性モードを利用して、反響音を拾う範囲を少なくし直接音の比率を高める。
2.残響による子音のマスキングを減らす為、高音域強調のプログラムにする。
3.スピーカーから発せられた音声を必要以上に抑えないようリニア増幅を使ってみる
などがいいでしょう。