補聴器はつけたほうがいいですか?つけるタイミングは?

補聴器はつけたほうがいい

「補聴器はつけたほうがいいですか?」と相談いただく場合にまず言えるのは、

聞き間違いが多い、呼びかけられても聴こえないなど難聴が仕事や日常生活に支障をきたして、かつ手術や投薬などの治療で改善が望めない場合かどうか確認いただきます。

難聴で聴こえが悪いと家族や友人とのコミュニケーションがとりづらくなり、会話が少なくなります。また大切な話を聞き間違えてしまったり、聞くことに集中するため理解が遅れてしまい会話のテンポがずれてしまうなどがおこります。

補聴器によって適切に音をいれることで聞き取りが良くなり、日常生活が楽に送ることができるなら、補聴器はつけたほうがいいです。

難聴を放置しない

さらに「もう歳だから・・・」といって、難聴を放置してしまうことは、おすすめできません。
最近の研究では、難聴が認知症を誘発する危険因子のひとつであるということもわかってきました。
聞こえにくい状態が続くと、聴覚を通して脳に入ってくる情報量が減少します。これにより脳は委縮や神経細胞の減少を引き起こし、認知機能の低下につながってしまうのです。

補聴器をつけるタイミング

では、補聴器を使い始めるタイミングはいつでしょうか?どの程度聞こえが悪くなったら補聴器を使うのでしょうか?

年齢と共に緩やかに低下していく聴力は、なかなか本人には気付きにくいものです。

ですが、小さな声や騒音下での会話の聞き間違いや聞き取りの困難を自覚する軽度難聴以上から、補聴器をつけるほうがいいです。年齢的には60歳以降なら補聴器装用を考えられてもいいです。

補聴器の早期装用のメリット

よく補聴器の早期装用が推奨されていますが、聞こえにくさを自覚しているのにもかかわらずそのまま放置してしまう人は少なくありません。

しかし、早めの補聴器装用には以下のメリットがあります。

言葉の聞き取りが保たれる

補聴器の取り扱いに早く慣れる

認知機能の低下を防ぐことができる

本人またはご家族様の聞こえが悪いと感じられているのであれば、「今この瞬間」に補聴器を使うことを検討することをおすすめします。

大阪補聴器センターでは、補聴器の無料レンタルを行っておりますので気になる方はぜひご相談ください。

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難聴を放置すると疲れやすくなる?その理由は。

難聴になると、聴覚情報の処理が困難になり、脳がより多くのエネルギーを使って音を理解しようとします。音から得られる感覚が弱くなるため、脳は何らかの形で失われた感覚を過度に補おうとします。聴覚が衰えたぶん、触覚や視覚などをより鋭くしようと一生懸命働くのです。

この過程により、集中力や認知的な負荷が増え、疲れやすくなる可能性があります。

また、難聴になると、普段の会話や環境音などを聞き取るために集中力を高める必要があります。危険を察知するための音も聞こえにくくなることで、無意識のうちに不安になってしまうこともあるでしょう。また、働いている方は、仕事で会話を聞き逃してしまい、業務遂行や人間関係に影響を与えてしまうかも、とストレスが溜まることもあります。

このため、長時間にわたって聴力を補正しようとすることは、脳にとって負担となり、疲労を引き起こす可能性があります。人はエネルギーを失うと、仕事で成果を出したり、活動的でいることが難しくなります。

ですので、難聴者にとって「音を聞く」ということは、沢山の労力とエネルギーが必要なことで、それは極度の疲労感やストレスにさらされることと同じなのです。

さらに、難聴がある場合、周囲の音を聞き逃したり、他の人の発言を確認するためにより多くのエネルギーを使う必要があります。

これにより、日常のコミュニケーションや社会的な相互作用が困難になり、心理的なストレスが増える可能性があります。

その結果、疲労感が増し、日常の活動において疲れやすくなるかもしれません。

このような疲れを避けるには、まずは聞き取りやすい環境を作ることが大切です。

例えば、会議をするときには静かな個室に移動したり、車内では流れる音楽の音量を落としたり、パーティーのような騒がしい環境でおしゃべりするときは人混みを離れたり、ということです。

また、よく言われているのは、十分な睡眠の確保、運動や趣味で気分を切り替える、ストレスや疲れを感じた時に深呼吸でリラックスする等もいいでしょう。

以上のように「年だから仕方ない」と難聴を放置することは大きなリスクとなります。

難聴がある場合は、できるだけ早く医師や専門家に相談し、適切な治療や補聴器の利用を検討することをおすすめします。

補聴器には、脳が音をきちんと理解できるようにサポートする様々な機能が搭載されています。例えば、騒がしい場所では会話と雑音を分けて処理して会話がしっかり聞こえるようにしたり、後ろから声が聞こえてきたらその方向の音にフォーカスしたり、周囲の状況に応じて耳に届ける音量を自動で変更したりなど、複雑かつ繊細な調整を自動で行ってくれるのです。

補聴器を装用したら完全に疲れないということではありませんが、補聴器のこれらの機能が難聴者の聞く努力を軽減し、聞くことで感じる疲れを低減することにもつながります。適切な対策を取ることで、難聴に伴う疲労感を軽減することができる場合もあります。

難聴でお困りでしたら、まずはご相談ください。

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難聴で転倒 聞こえにくいと転びやすくなる! 

よく「聞こえにくいと転びやすくなるのでしょうか?」とお問い合わせをいただくのですが、最近のアメリカでの臨床ケースを入手しましたので、情報として参考にしていただけたらと思います。

まず、良く知られている転倒の原因として、放置されている難聴があります。

難聴は複数の研究において転倒リスクの大幅な増加と関連づけられています。

例えば軽度難聴の人は、健聴の人に比べ転倒した経験が3倍近く多く、難聴が10dB進むごとに転倒のリスクは1.4倍増加します。つまり、難聴が進行すればするほど、転倒するリスクも高くなっていきます。

転倒は怪我や入院に繋がります。アメリカでは65歳以上の3人に一人が毎年転倒しており、転倒によって致命的もしくは多くの怪我を負っているとのデータがあります。

では、なぜ難聴になると転倒のリスクが高くなるのでしょうか。

以下の理由が考えられます。

聞こえにくいと自分の全体的な環境を上手く認識できないため、つまずいたり転倒したりする可能性が高くなります。

・難聴になると認知負荷が高くなります。平衡や足取りを維持するため脳が支配され聞き取りや音情報を処理する為に緊張を強いられてしまう。

・蝸牛の障害に、平衡感覚を損なう前庭機能障害が含まれる場合がある。

そもそも、高齢者は転倒する危険性が高いです。高齢者の「不慮の事故」のうち、「転倒・転落」によるものは毎年多く発生しています。

また、高齢者が転倒した場合、「痛かった」だけではすまないことが多々あります。転倒・転落は骨折や頭部外傷などの重大な傷害を招き、これが原因で介護が必要な状態になることもあります。

このように、転倒には大きな危険が伴います。転倒のリスクを少しでも下げるために、聞こえづらさを感じている場合は早めに対処するようにしましょう。

例えば補聴器を使うと、小さな音が聞こえるようになり、音の方向感覚も改善します。人が近づいてくる音が聞こえますし、ぶつかったりつまずいたりして転倒することが減るでしょう。聞こえを改善することで、難聴によって起こる脳の過剰な負担も防くことができます。

以上のことから、転倒のリスクを減らす為にも難聴の方は補聴器の装用が望ましいと言えるのではないでしょうか。

難聴になるとどのような状態になるのか イメージ動画

まずは聞こえる方と難聴の方のイメージ動画をご覧ください。

聞こえる方にはぴんとこない内容とは思いますが、難聴になると以下の状態が現れます。(家族を夫婦に置き換えてもいいでしょう。)

・家族との会話が上手く聞き取れず、ついつい相槌で誤魔化してしまう。

・聞こえないことで家族と喧嘩することがある。

・家族の会話に加われなくて、段々孤立してくる。

・聞こえないことで、家族との会話が無くなって来る。

・大声で会話をしているので、周りから喧嘩をしているように見られてしまう。

・聞こえに自信がないので、ついつい外出の機会が減ってくる。

・電話の会話が分からないので、電話に出ることが出来なくなる。

などの状態が挙げられます。

これは難聴の悪循環で、聞こえない→ 会話が無くなる→ 言葉の聞き取りの力が落ちる→ ますます聞こえなくなるの負のスパイラルに陥ります。

補聴器はあくまで聞こえの補助をする補装具ですから、難聴の程度が進むほど効果が少なくなります。

ですから、やはり早めの装用をお勧めします。

ご家族に初めて補聴器の使用を検討している人へ

ご家族様が聞こえに困っている本人様に「そろそろ補聴器を使ったら?」と装用を勧めるケースが多いのですが、なかには本人様から「まだそんな年ではない!」「カッコ悪い!」など反発されて逆に使わないと意固地になってしまうケースもよくあります。

ですが、難聴を放置したままにしておくと様々なリスクがあります。

では、どのような言葉が本人様に響くのでしょうか?

それぞれの事情や性格などが異なりますので、一概にこう言えばいいという回答はありませんが例を挙げますとこんな感じでしょうか。

  1. 「補聴器は、聴覚の一部を取り戻す手段です。新たな音の世界が広がり、生活の質を向上させることができます。」
  2. 「補聴器を使用することで、日常生活や社交活動がより豊かになります。会話や音楽、周囲の環境音など、本来の音の美しさを再び感じられるようになるでしょう。」
  3. 「補聴器は、コミュニケーションの品質を向上させ、自信を取り戻すのに役立ちます。職場や家庭での意思疎通が円滑になり、より充実した人間関係を築くことができます。」
  4. 「補聴器の進化により、デザインや機能も多様化しています。自然な音質や快適な装着感を提供する補聴器が多くありますので、あなたのライフスタイルに合った選択肢があります。」
  5. 「補聴器の使用は、自身の健康と幸福を考える重要な一歩です。聴覚をサポートすることで、認知機能の向上や脳の活性化にもつながります。将来の健康を見据える視点からも検討してみてください。」

これらの言葉は、補聴器の使用によるメリットやポジティブな側面を強調し、希望や興味を抱かせることを目的としています。

ただし、個々の状況や感情によって受け取り方は異なるため、相手の意見や感じ方を尊重しながら、適切なタイミングで話し合うことが大切です。

2024年4月2日 | カテゴリー : 未分類 | タグ : | 投稿者 : 玉腰

難聴になると認知症になるのか?難聴は認知症の最大の危険因子です!

よくいただく質問に、「難聴になると認知症になるのですか?」があります。

結論から言えば、「難聴になることで認知症になるのではなく、認知症発症のリスクが高くなる。」と言えます。

では、難聴はなぜ認知症に大きな関りがあるのでしょうか。

まず、難聴はただ聞こえにくいだけではありません。

難聴により、人は会話を億劫に感じ、徐々に外出が減り、ひきこもりがちになってきます。

すると、脳への刺激が減り、徐々に認知機能が低下してきます。

また、難聴の程度によって認知症の発症リスクが高くなります。

一般的に、軽度難聴の人は、健聴の人に比べて認知症の発症リスクが2倍、高度難聴になると5倍と言われています。

上記のことから、難聴は認知症の最大の危険因子と言われています。

ですので、認知症予防の最大のカギは「きこえ」にあるのです。

詳しい資料として、GNリサウンドの「みんなで知ろう!認知症と難聴」をお勧めします。

補聴器は、耳の脳の関係を良好にし、生活の質の向上を提供する医療機器です。

補聴器の使用が認知症の予防につながる可能性があることが次第に明らかになってきています。

気になる方はお早目の相談をお勧めします。

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