難聴になると認知症になるの?

「難聴になると認知症になるの?」

よく聞かれる質問です。

ある程度以上の高齢者になると、認知症のことは確かに気になります。

GNヒアリングジャパン株式会社が「みんなで知ろう! 認知症と難聴」というパンフレットを出しています。

内容を一部引用して説明したいと思います。

まず、厚生労働省は2015年認知症対策の強化をはかるため「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」を策定しました。

そのなかで難聴は、加齢、高血圧、糖尿病などとともに認知症の危険因子とされています。

こちらのデータによれば、難聴は認知症の最大の危険因子となっています。また、難聴は予防可能な危険因子で最大となっていますので、しっかり対応すれば認知症のリスク軽減につながると思われます。

では、なぜ「難聴」危険因子なのでしょうか?

まず、「難聴」はただ「聞こえにくい」だけではありません。

人によっては会話を億劫に感じ、徐々に外出が減り、ひきこもりがちになります。

すると脳への刺激が減り、認知機能の低下につながります。

では、難聴の程度による差はあるのでしょうか?

難聴による認知症発症への影響を約10 年間追跡した調査があります。

これによると軽度難聴の人は、聴力が正常な人に比べて認知症発症リスクが約2 倍、高度難聴になると約5 倍であることがわかりました。

以上のことから、認知症予防の最大のカギは「聴こえ」にあると言えます。

実際に、難聴の人を対象にしたフランスの研究※では、補聴器を装用した人は、装用しなかった人と比較して認知機能の低下を抑制できたと報告されています。 ※米国老年医学会雑誌 vol.63(10), 2015

補聴器を装用することで、生活の質の向上が実現できるといいとは思います。

難聴とは

難聴とは何か?

健聴の方にはなかなかイメージできないとは思います。

しかし、国際保健機関 (WHO) によると、世界人口の5%以上、つまり約4億6600万人の方々が聴覚障害を患っています。

また難聴にはこのようなデータもあります。

  • 難聴に苦しむ人は世界人口の約5% (4億6600万人)
  • 2050年までに難聴に苦しむ人は世界で10人に1人(約9億人)に達すると試算されている
  • 60歳以上では約3人に1人が難聴
  • 世界で11億人の若者が、娯楽環境によって聴覚障害が引き起こされる危険性が高いと試算されている
  • 子供の難聴の60%は未然防止可能な原因に由来している
  • 乳児の1000人に1人が難聴
  • 世界保健機関 (WHO)によると、慢性的な耳の感染症が難聴の主な原因となっている
  • 研究によると、難聴者のうち約65%が軽度難聴、30%が中等度難聴、5%が高度/重度難聴を患っている
  • 難聴者の大部分は学生または社会人の年代
  • 研究によると、難聴者の5人に1人しか補聴器を活用していない
  • 平均的に、難聴者が聞こえの課題に取り組み始めるまでに10年程掛かっている

では、難聴になるとどのように聴こえるのでしょうか?

フォナック補聴器のサイトで、いくつかの環境音のサンプルがあります。

フォナック補聴器サイト

最初に健聴の聴力のサンプル音を聞いて、2つの残りのサンプル(軽度の難聴と重度の難聴)と比較します。この環境音で難聴の方の聞こえ方をイメージ出来ます。

難聴の方のご家族様が、補聴器の検討を本人様に提案される際などに、ぜひ上記内容もご参照いただけたら幸いです。

2020年10月8日 | カテゴリー : 未分類 | タグ : | 投稿者 : 玉腰

聞こえが悪くなって困ることは?

日本人の難聴者率は自己申告で11%程度と言われています。

しかし、日本の補聴器使用率は対自己申告難聴者数の僅か13%程度に留まります。

これは、聞こえが悪くなっても放置している人がいかに多いのかを物語っています。

では、聞こえが悪くなると一体何が困るのでしょうか?

人それぞれ個別の事情があることですが、代表的な例を5つご紹介します。

1.学習することが難しくなる

人間は言葉を通じてさまざまなことを学習しています。しかし、聞こえが悪くなると学習が難しくなります。

2.人間関係が悪くなる

聞こえが悪くなると、コミュニケーションが成り立ちません。人間関係が悪くなります。

3.認知症のリスクが高くなる

難聴は認知症の危険因子と言われています。

4.認知症と疑われる可能性がある

聞こえが悪いと周囲は「認知症だ」と思い込むことがあります。

5.うつ病のリスクが高くなる

コミュニケーションがうまくとれないと孤立化してきます。結果としてうつ病のリスクが高くなります。

以上のように聞こえが悪いことを放置することで生じる問題点は多くあります。

聞こえが悪くなったと感じたときは、早めの対策が望まれます。

新しい生活様式は難聴者にとって困った生活様式です

2020年5月4日に専門家会議の提言で、新たな新型コロナウイルス感染者の数が限定的となった地域では再び感染が拡大しないよう長丁場に備えて「新しい生活様式」に切り替える必要があるとして具体的な実践例が示されました。

しかし、この新しい生活様式は難聴の方にとっては、困った生活様式です。

まずは身体的距離の確保ですが、

2m離れての会話は、難聴の方にとっては聞き取りにくい距離です。聞こえやすくなるように近づくことは感染のリスクが高くなるので出来ません。補聴器をご使用の方にとっても聞き取りにくい距離ですので、相手にワイヤレスマイク等を装用してもらっての会話も一手段として推奨します。

詳しくは当店ブログ記事「ソーシャル・ディスタンスと難聴(補聴器)」をご参照下さい。

真正面を避けた会話も困ります。相手の口元が見えませんし、一側性難聴の方ですと聞こえない側から話しかけられて全然聞き取れない場合もあります。一側性難聴の方でしたら、CROS補聴システムを検討するのもいいでしょう。

マスクの着用も聞き取りの面では困ったことです。口元が見えない上に言葉の明瞭度も低下しますから、難聴の方にとってマスク着用が当然の社会はかなり困ったことになります。また、耳かけ型補聴器をご使用の方には、補聴器がマスクの邪魔になることや、補聴器の落下のリスクが高くなることが問題となります。

これに関しましては当店ブログ「マスクと補聴器」をご参照下さい。

また、仕事をされている方ですと、テレワークやオンライン会議なども難聴の方にとって厳しい仕事スタイルです。

テレワークの際に、相手の声がどうやっても聞き取りにくい場合があります。一人での使用であれば何とかなりますが、複数で会議状態でオンライン会議など行う際には本当に困ります。

現在補聴器をご使用の方でしたら、フォナック補聴器のロジャーを使用することで改善する場合もありますので、詳しくはフォナック補聴器のサイト「新型ウイルスに負けるな!ロジャーを使って快適リモートワーク!【集団補聴編】」記事を参照ください。

いずれにしても、新しい生活様式は当面続ける必要がありますので、早めに新しい生活様式に対応できるよう心がける必要はあります。

聞こえのレベルを簡単に調べるには

新型コロナウイルス感染症の感染予防でマスクを装用している方が殆どとは思います。

ですが、マスクを装用すると口元が見えないので、以前と比べて聞き取りにくく感じている方も多いかと思います。確かにマスクを装用して話すと言葉の明瞭度は低下します。かと言って、マスクを外して話してくださいとは言えません。

なんとなく自分の聞こえのレベルはどうなのか不安に思っている方におすすめのサイトがあります。

シグニア補聴器の「聞こえのレベル簡単チェック」です。

10問の質問に「はい」「そうかもしれない」「いいえ」で答えるだけで、最後に「聞こえの対策の必要度」が表示されます。

例えばこんな質問があります。

「二人以上の人が同時に話始めると、よく聞き取れなくなる。」

「話相手の顔を見ている方が、話がよく分かると感じる。」

など簡単な質問です。

全ての質問に答えると、難聴の可能性について答えてくれます。

そして、別のサイトの「難聴レベルチェッカー」で難聴レベルごとの聞こえを体験できます。

サイト内のグラフ右側の難聴レベル(健聴~重度難聴)のボタンをひとつ選んで、グラフの中のアイコンをクリックすると、選んだ難聴レベルではどのように聞こえるのか体験できます。

もちろん、正確な検査は耳鼻咽喉科で行うことが必要ですが、昨今の現状では病院に行くこと自体新型コロナウイルス感染症のリスクがあり、厳しいのが事実です。

もしも、難聴レベルに該当している場合は、補聴器の装用も考えてみてはいかがでしょうか。

ソーシャルディスタンスと難聴(補聴器)

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、「ソーシャルディスタンス」が注目されています。

「ソーシャルディスタンス」は「社会的距離」という意味です。

新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために、人混みを避けたり自宅にとどまったりして、人との距離をとることを指しています。

では、人がいる場所では具体的にどのくらいの距離をとればいいのでしょうか。目安としてはお互いに手を伸ばしたら届く距離、つまり、少なくとも2メートルということです。

しかし、難聴の方にとってこの2メートルはつらい距離です。

中等度難聴以上の方ですと、何を言っているか聞こえないし、軽度難聴の方でも聞き返しが出てきます。

また、現在補聴器を使用している方でも聞き取りにくい状況です。

当然耳元に近づいて大きな声で話すこともソーシャルディスタンスに反します。

大きな声で話すこと自体、飛沫感染のリスクは高くなりますし、マスクを装着して話すと一種のローパスフィルターして機能し、2000〜7000Hzを4dB程度減衰させるそうです。つまり、マスクを装着して会話すると明瞭度は減衰します。

では、補聴器を装用している方の場合、何がソーシャルディスタンス対策になるのでしょうか。

一例としては、各補聴器メーカー毎にリモートマイク(色々な名称があるとは思いますが)を使用することが挙げられます。

例えばフォナック補聴器でしたら、パートナーマイク(マーベルシリーズのみ対応)、シグニア補聴器でしたら、ストリームラインマイク(Signia Nxのみ対応)、リサウンド補聴器でしたら、マイクロマイクがあります。

参考までにフォナック補聴器のパートナーマイクの動画もご覧ください。

これらのリモートマイクを相手に装着してもらい話すことで、相手の声は直接補聴器で聞くことが出来ます。

普段はあまり注目されない補聴器のワイヤレスアクセサリーですが、今は活用する時期かもしれません。

難聴を放置すると脳はどうなるのか

年齢とともに人間の聴力は低下してきますが、多くの方は

「年だから仕方ない!」

「自然なことだから、それで構わない!」

などと放置する傾向があります。

ですが、脳のことを考えると放置することは問題があります。

人間の脳は思考や行動など、人が生きていくうえで必要なことのすべてを判断しています。

脳は難聴が生じると、音から得る感覚が弱くなるため、何らかの形で失われた感覚を過度に補おうとします。

つまり、聴覚が衰えた分、触覚や視覚などをより鋭くしようと一所懸命働くのです。

しかし脳が余計に働いたことで、人間はいつも以上に疲れを感じたり、集中力が低下したりします。

また、ほとんどの場合、難聴は徐々に進行します。

そのため、特定の音が聞こえなくなったことに気付かず、自分は難聴だと自覚するタイミングが遅れてしまいます。

脳は音が聞こえにくくなっても、音の記憶をしばらく保っていますが、数年経った後はその音を忘れてしまいます。

そのような脳の問題に対して、補聴器は健全な脳の働きをサポートする役割もあります。

補聴器は音を聞くことだけでなく、脳内の聴覚神経を刺激してくれます。

すると脳は他の感覚を過度に鋭くする必要がなくなり、聴覚から得られる情報から思考を深めるという高次機能の働きを継続します。

以上のことから、難聴を放置して脳の変化が生じる前に対策をすることは肝要だと思います。

2019年10月1日 | カテゴリー : 未分類 | タグ : , | 投稿者 : 玉腰

聴こえでお困りの方に補聴器を勧める場合には

お盆の時期など、久しぶりにご両親に会われて聞こえが悪くなったかな?と思われることがあるかと思います。

しかし、そこでいきなり、

「聞こえてないから、補聴器をつけたら?」

と面と向かって言うと、大概、

「聞こえているから、大丈夫だ!」

「大きなお世話だ!」

と怒られて、反発されることが多いです。

多くの人々が、聴力が以前ほど良くないという事実を素直に受け入れるのに苦労します。

難聴は恥ずかしいように思えるかもしれませんし、老化や衰弱の徴候と思っているかもしれません。

また、今まで生活出来ていた自信もあるかと思います。

しかし、聞こえにくい状態を続けると、人間関係、健康、生活の質に悪影響を及ぼすことがあります。

難聴への対処が遅れれば遅れるほど、問題は大きくなる可能性があります。
難聴の人の手助けをするのは難しいかもしれませんが、より良い聞き取りの改善で、もっと楽しい社会生活が送れることを示すことが必要となるでしょう。

ですので、「いきなり補聴器をつけて!」

よりは、まず、

・気にかけていることを伝える。

・「補聴器」について調べ、補聴器の小ささや有効性を見せる。

・難聴に対処することは大きな効果があることを気付かせる。

・難聴について理解を示し、そしてあきらめない。

などまずされてはいかがでしょうか。

きこえのチェックをするには

自分が今、どの程度聴こえているのかを知るには、耳鼻咽喉科で検査を受けるのが間違いないです。

しかし、まだそこまで本格的に検査するのはどうも・・・・

なかなか忙しいから検査を受けるのはどうも・・・・

などの意見もあります。

そこで、今回紹介したいのは、GNヒアリングジャパン株式会社の「きこえのチェックサイト」です。

リンクは以下の通りです。

https://www.resound.com/ja-jp/online-hearing-test

音声に従ってイラストや数字をクリックして、聞こえのチェックをします。

自身の聞こえの程度を手軽に把握するための簡易的なツールとして、いいと思います。

より精密なチェックをするには、ヘッドホンを着用し、右耳・左耳を個別に行うのがいいでしょう。

注意事項としては、リサウンドのきこえのチェックはあくまで簡易的なもので、聴覚専門家による実際の測定に代わるものではありません。 より正確なきこえの状態を知るためには、耳鼻科専門医での診断をおすすめします。

難聴になって困ることは?

難聴になるといろいろなことで困りますが、具体的には何に困るのか人それぞれです。

その人の難聴の程度や生活環境などで、困る内容は異なります。

最近、多かったお困りの内容を紹介したいと思います。

難聴で困ること

 

 

 

 

 

1.情報伝達の難しさ・誤解

難聴は、外からは分かりづらい障害のため、知らず知らずのうちに当事者を傷つけたり、誤解したりしやすいと言われています。

例えば、

「電車が止まった時のアナウンスが聞きとれなく、不安だ。」

「病院で呼ばれても気が付かなくて、困った。」

「電話でしか対応していない窓口など、他の人に電話してもらわなければならない。」

「タクシーを呼びたかったが、電話での対応が難しいのであきらめた。」

などの情報伝達の難しさで困るケースはかなり多いです。

また、

「話しかけたのに無視された!」と怒られたなどの誤解もあります。

 

2.困る場所

困る場所としては、職場・学校が一番多いです。続いて交通・娯楽・買物などとなります。

 

3.電話が出来ない・声で伝えきれない

「110番、119番の緊急ダイヤル」や「エレベーターの非常時通報ボタン」は命に係わる問題です。また、地震や土砂災害のとき、避難所で聞こえる人たちはアナウンスで配給などが分かる一方、難聴者の場合は、その情報を得ることができなかったという体験談も聞きます。

 

以上のように難聴になると健聴者では想像できない悩みがあります。

ですので、難聴はそのまま放置すべきではなく何らかの解決策(補聴器の装用など)を早めに考えたほうがいいかと思います。