補聴器の一般的な値段は1台10〜30万円が相場です

よく「補聴器の一般的な値段はいくらですか?」とのお問い合わせをいただきます。

補聴器の購入を検討しはじめたとき、気になるのはまず値段ではないでしょうか。

実は、補聴器と言っても、搭載されている機能やテクノロジーなどはさまざまです。どのような補聴器を選ぶかによって、値段も大きく違ってきます。

補聴器の値段

補聴器の値段は、様々な要素によって異なります。値段が高いほど、音質や性能が向上し、より快適で効果的な聞こえを提供するための高度な機能が搭載される傾向にあります。

値段に影響する要素

  • 機能: 雑音低減機能や方向性マイクなど、搭載されている機能が多いほど値段が高くなります。
  • 形状: 耳かけ型、耳あな型など、形状によっても値段が異なります。
  • 調整の細かさ: 聴力に合わせて細かく調整できるほど、値段が高くなる傾向があります。
  • ブランド: メーカーやブランドによっても値段に差があります。
  • 購入場所: 専門店、眼鏡店、量販店など、購入場所によっても値段が異なります。

ですが、具体的な補聴器の選択には、聴力の状態、個人のニーズ、求める技術のレベルなどが影響を与えることをまず覚えておいてください。

補聴器の平均的な値段

参考までに平均的な補聴器の値段は一般社団法人日本補聴器工業会が2022年に調査したデータによると、補聴器購入者の1台あたりの相場は10〜30万円です。

内訳は、10万円以上20万円未満が最も多く41%。次いで20万円以上30万円未満が31%でした。

ですので、補聴器の両耳での平均的な値段は20〜60万円となります。

補聴器の値段の違い

あくまで一般的な目安でありますが、一般的に、値段の高い補聴器ほど高機能・高性能になります。

ですから操作が全自動で雑音が少なく、細かく微調整ができ、会話が聞きやすくなるほど補聴器は値段が高くなります。

つまり、安くて高性能の補聴器はありません。

安い補聴器は、機能がシンプルだったり、調整の自由度が低かったりすることがあります。

一方、高い補聴器は、様々な環境で快適に使える高度な機能や、きめ細やかな調整が可能です。

大阪補聴器センターでは、ご使用する方の要望や耳の状況、聴力データー等に基づき、最適と思われる補聴器をご提案しています。

購入されるお客様の多くが片耳15~20万円程度の補聴器を購入されています。

両耳装用の場合は、両耳で30~40万円程度の方が多いです。

安い補聴器でも十分な効果が得られる場合もありますが、より快適な生活を送りたい場合は、高機能な補聴器を選ぶことも検討しましょう。

詳しくは大阪補聴器センター吹田店サイトを参照ください。

【失敗しない!】補聴器の正しい買い方と手順を専門家が解説 

補聴器の正しい買い方

補聴器の正しい買い方とは、一体何でしょうか?

初めて補聴器を購入する際に、よく間違った買い方をして後悔するケースがあります。

例えば、

・通信販売で安いと思って買った補聴器が、実は補聴器ではなく「集音器」であったので全然調整は出来ないし使い方もよく分からなく使っていない。

・家族がプレゼントとして補聴器を送ってきたが、雑音ばかりで使えない。

・〇〇さんがこの補聴器がいいと言っていて、同じ補聴器を買ったが全然聞こえない。

などいろいろなケースがあります。

では、正しく補聴器を買うにはどのようにすればいいのでしょうか。

まずは、補聴器販売店に行ってみる(出張サービスで自宅まで来てもらう)ことから始まります。

出来れば、補聴器販売店は補聴器専門店が望ましいです。

補聴器を買う手順

補聴器購入の手順としては、以下の通りです。

・カウンセリング

まずは、お店の方に何に困っていてどのような場面で補聴器を使いたいのか伝えます。もちろん、予算や希望などあればはっきり伝えます。

・聴力測定

補聴器選定のための聴力を測定します。

・補聴器の選定

聴力測定の結果や使用目的に基づいて、使用したい補聴器を選定します。

・補聴器の試聴

実際にご自身の耳で補聴器の聞こえ具合を試します。

・ご購入又は補聴器の貸出

その場で補聴器のご購入もいいのですが、補聴器が初めての方は補聴器の貸出で実際にご自宅で試すことをおすすめします。

以上が補聴器の正しい買い方です。

買った後のアフターケアも大事ですので、購入後のアドバイスも受けてください。

補聴器選びで失敗したくない方へ

実際に補聴器を試聴したい方は、大阪補聴器センター吹田店にお問い合わせください。

補聴器を家で買う出張訪問サービスが便利です

補聴器出張訪問サービス

年齢と共に体の調子の問題などで、外出が難しくなることがあります。

遠方のお店で補聴器を購入された方などは、補聴器の調整などに支障をきたす方も多いことでしょう。

一概に近くにある補聴器販売店が必ずいいとは言い切れませんが、やはり遠方より近くの補聴器店の方が安心です。

しかし、近くに補聴器販売店が無いケースや、あっても技術面で不安があるお店しかない場合などでは、補聴器をこれから使おうと思っていてもなかなか第一歩が踏み出せません。

そこで、今回紹介したいのは補聴器の出張訪問サービスです。

出張訪問補聴器専門店

大阪補聴器センターはこのサービスに特化した出張訪問補聴器専門店です。

  • 補聴器店まで行きたいが、遠くて行けない方
  • 足が不自由で外出が難しい方

には大変ご好評をいただいています。

補聴器の出張訪問で購入するメリットは、いくつかあります。

1. 自宅で気軽に相談・購入できる

  • 移動の負担がない: 特に高齢者の方や身体の不自由な方にとって、店舗まで足を運ぶのは大変です。出張訪問なら、自宅でリラックスした状態で相談することができます。
  • 周りを気にせず相談できる: 店舗だと周囲の目を気にしなければならないこともありますが、自宅ならプライバシーを守りながら、じっくりと相談することができます。
  • 試聴も自宅で: 実際に補聴器をつけて、自分の生活環境で音を試すことができます。店舗では分かりにくい、自宅での聞こえ方を体験できます。

2. 専門家が自宅まで来てくれる

  • 聴力測定: 専門家が直接聴力測定を行うため、正確なデータに基づいた補聴器選びが可能です。
  • 調整: 購入後の調整も自宅で行うことができるため、すぐに最適な状態に調整できます。
  • アフターフォロー: 使用中の疑問点やトラブルについても、気軽に相談することができます。

3. 多様なサービス

  • 試用期間: 一定期間、補聴器を実際に使用してみて、自分に合っているか確認することができます。
  • レンタル: 購入前にレンタルして、自分に合った機種を選ぶことも可能です。

4. その他

  • 時間短縮: 店舗への移動時間や待ち時間がなく、効率的に手続きを進めることができます。
  • 比較検討: 複数のメーカーの補聴器を比較検討することができます。
  • 最新機種の紹介: 最新の補聴器について、詳しく説明を受けることができます。

ご自宅や介護施設に居ながら、補聴器の購入・調整・アフターケアまでトータルにサポート致しますので、ご高齢のお客様から大変好評をいただいています。

勿論訪問できるエリアは大阪府内及びその近郊に限定されてはいますが、可能な限りご相談を承っています。

補聴器出張訪問サービスを利用したい方へ

ご相談や訪問依頼は以下のお問い合わせから承ります。お気軽にお問い合わせください。

豊中市で補聴器を買うなら大阪補聴器センター! 

豊中市の補聴器専門店

豊中市北部には補聴器専門店がありますが、豊中市南部には補聴器専門店はありません。

豊中市南部にお住まいの方の場合、眼鏡店の兼業店で補聴器を購入される方が多いようです。

しかしながら補聴器はやはり専門店が望ましいです。補聴器を購入する際には、信頼できる店の経験豊富なスタッフからアドバイスを受けることが大切です。

大阪補聴器センター吹田店は吹田市江坂を拠点にした出張訪問補聴器専門店ですので、豊中南部地域はとても近いエリアといえます。

最近の傾向としては豊中市庄内・服部付近からの訪問依頼が増えてきました。また、緑地公園・桃山台・千里中央付近からの依頼も多くなってきました。

大阪エリアをカバーしている出張訪問ですがやはり

「少しでも近くで」

迅速に対応して欲しい

とのお客様のニーズに応えるべく地元密着型のサービスも必要です。

豊中市で補聴器をお考えの方へ

豊中市で新たに補聴器をお考えの方や補聴器の買換えをお考えの方がいらっしゃいましたら、お気軽に大阪補聴器センター吹田店にご相談ください。

お問い合わせ

電話 06-6836-7213

ちなみに豊中市の訪問町名は以下の通りです。

赤阪

旭丘

石橋麻田町

稲津町

今在家町

上野坂

上野西

上野東

永楽荘

大島町

岡上の町

岡町

岡町北

岡町南

小曽根

春日町

勝部

上新田

神州町

北桜塚

北条町

北緑丘

熊野町

栗ケ丘町

上津島

桜の町

三和町

柴原町

島江町

少路

庄内幸町

庄内栄町

庄内宝町

庄内西町

庄内東町

庄本町

城山町

新千里北町

新千里西町

新千里東町

新千里南町

末広町

清風荘

千成町

千里園

曽根西町

曽根東町

曽根南町

立花町

玉井町

大黒町

長興寺北

長興寺南

寺内

利倉

利倉西

利倉東

刀根山

刀根山元町

中桜塚

西泉丘

西緑丘

野田町

走井

服部寿町

服部西町

服部本町

服部南町

服部元町

服部豊町

服部緑地

原田中

原田西町

原田南

原田元町

東泉丘

東寺内町

東豊中町

日出町

広田町

二葉町

宝山町

豊南町西

豊南町東

豊南町南

螢池北町

螢池中町

螢池西町

螢池東町

螢池南町

穂積

本町

待兼山町

三国

緑丘

南空港町

南桜塚

箕輪

宮山町

向丘

名神口

山ノ上町

夕日丘

若竹町

iPhoneのライブリスニングモードで離れた場所の声を補聴器で聞く  

ライブリスニングとは

iPhoneのライブリスニングモードは、iPhoneをワイヤレスマイク代わりにして、離れた場所の音声を補聴器やワイヤレスイヤホンなどで聞くことができる機能です。

これにより、特定の状況下(騒音の多い環境での会話)で音が聞こえやすくなります。 きこえが悪い方のサポートとしてライブリスニング機能がiPhoneに搭載されています。

ライブリスニングを使えば、iPhone、iPad、iPod touch がリモートマイクになり、「Made for iPhone」補聴器に音声を送ってくれます。

補聴器をペアリングする

  1. 補聴器をペアリングモードにして、iPhone や iPad に近付けます。
  2. 設定アプリを開きます。
  3. 「アクセシビリティ」をタップした後、「ヒアリングデバイス」をタップして補聴器の検索を開始します。
  4. 設定に補聴器が表示されたら、名前をタップします。
  5. 1 つ以上の Bluetooth ペアリングリクエストが表示されたら、「ペアリング」をタップします。

ライブリスニングの使い方

使い方は簡単です。

  1. 「設定」>「アクセシビリティ」の順に選択し、「ヒアリングデバイス」を選択します。
  2. 「MFi ヒアリングデバイス」の下で、お使いの補聴器の名前をタップします。
  3. 「ライブリスニングを開始」をタップします。
  4. 声を聞き取りたい相手の前にデバイスを置きます。

これだけで使えます。

Bluetoothの規格上最大10mまでですが、ライブリスリング機能には音声の遅延もほとんどないので、違和感なくクリアな音声を聞くことができます。

ちなみに、iPhoneのライブリスニングに対応しているワイヤレスイヤホンやヘッドホンは、AirPods、AirPods Pro、AirPods Max、Powerbeats Pro、Beats Fit Pro、Beats Studio ProなどのApple製品か、「Made for iPhone」認定を受けた補聴器となっています。

ライブリスニングを使う場面

では、補聴器の場合こんなケースに活用できます。

会議や講演など離れた場所の声を聞く

話し手にiPhoneを持っていただくことで、相手の声が直接補聴器を通して聞くことが出来ます。

テレビ

テレビの音の出るスピーカーの近くにiPhoneを置いて使用することでテレビの音が聞き取りやすくなります。

iPhoneと補聴器が接続されたら、コントロールセンター画面からライブリスニングの開始をクリックすれば簡単に使えますので是非ご活用ください。

但し、、ライブリスニング機能を補聴器として日常的に使用することは推奨しません!

音がうるさいと感じたり、実際に耳で効く音とは違ったりしますので、補聴器が使用できない時の一時的な代用や離れた場所の音を聞きたい時限定でご使用ください。

ライブリスニングモードの注意点

  • バッテリー消費: ライブリスニングモードを使用すると、iPhoneと補聴器のバッテリー消費が早まる場合があります。
  • 音質: 周囲の雑音も一緒に拾ってしまうため、音質は状況によって変化します。

加えて「Made for iPhone」認定を受けた補聴器はどのメーカーのどの補聴器かは各メーカーサイト又はカタログでご確認ください。

ライブリスニングモードは、騒がしい場所でのコミュニケーションを円滑にする便利な機能です。使い方をマスターして、快適なコミュニケーションを楽しんでください。

お問い合わせ

認知症でも使える補聴器とは おすすめの補聴器はどれか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

認知症でも補聴器は使える?

ご家族様から、よく「本人が認知症ですが、補聴器は使えますか?」とのご質問をいただきます。

お電話やメールでのお問い合わせの場合、本人様の認知症や難聴の程度・どこまで自分で出来るのかが不明なので、

回答としては

状況により使える場合と使えない場合がある。

となります。

認知症の方でも補聴器が役立つ理由

認知症の方への補聴器の使用は、単に「聞こえをよくする」だけでなく、以下のような効果が期待できます。

  • コミュニケーションの円滑化: 周りの人の言葉が聞き取りやすくなり、コミュニケーションが円滑になります。これにより、孤立感の軽減や、精神的な安定につながることが期待できます。
  • 認知機能の維持: 補聴器を使用することで、脳が音の情報処理を行うため、脳の活性化につながることが期待されます。
  • QOLの向上: 周りの人とのコミュニケーションが円滑になることで、生活の質(QOL)が向上する可能性があります。

認知症でも補聴器が使えるケースは?

では、実際にどんな場合でしたら使えるのでしょうか?

最近あったケースでは、

1.今まで補聴器を使用していて使用中の補聴器が故障し、新しく購入の場合

基本的な補聴器の操作が出来るので大丈夫でした。

但し、介護施設に入所の方でしたので、電池交換や電源の入り切りが不要な充電式補聴器にしました。充電器にセットすれば電源が切れて、取り出せば電源が入る充電式補聴器は好評です。

2.補聴器が初めてで、介護施設に入所中の場合

食事やトイレも自分では出来ない方で、自分での補聴器の脱着も出来なく無理でした。

3.補聴器が初めてだが、家族と同居の方

ご家族の方が全面的に協力いただけたので、補聴器のご自身での取り扱いは難しい状態でしたが使えるようになりました。

などがありました。

結論 認知症でも補聴器が使えるケース

以上のように

1.今まで補聴器を使っていた方は大丈夫な場合が多い

2.家族や介護施設の協力があれば、大丈夫な場合が多い

3.自分での取り扱いが全くできないと難しい

との傾向があります。

しかしながら、ケースバイケースな部分もあるので、まずはご相談いただいて実際に試してみてはいかがでしょうか。補聴器を選ぶ際には扱いやすく装用しやすい器種を選ぶことが大切です。

認知症の方におすすめの補聴器

おすすめの補聴器としては、充電式耳かけ型補聴器が挙げられます。

面倒な空気電池の交換・購入がなく、電源の入り切りも充電器から補聴器を取り出せば電源が入り、充電器に収納すれば自動で電源が切れてとても簡単に使えます。

加えて、補聴器の紛失対策も重要です。

小さな器械なので、外出時にうっかり置き忘れたり、落としたりする場合もあります。高額な商品なので、紛失するとかなりダメージを受けます。

出来れば紛失保証がある補聴器をおすすめします。詳しくは大阪補聴器センターブログ記事「 補聴器の紛失保証ならリサウンド補聴器がおすすめです」を参照ください。

大切なこと  

また、補聴器の装用意欲も重要です。本人が着けたくないのに無理やり着けさせてもうまくいかない可能性があります。補聴器に抵抗があっても、もし聞こえにくいことで生活に不自由を感じたら、我慢をしないで早めに試すことも検討してみて下さい。

会話をしたり、聞くということは認知症の改善にも関わりがあるといわれています。もし、耳が遠くなっているという自覚があったり実際に難聴であると医師に診断された場合は早期の補聴器装用が望ましいです。難聴があると認知機能の一部である「知識力」と「情報処理のスピード」が低下しやすいと言われています。

補聴器は認知機能低下の抑制や遂行機能の向上も期待できます。

まずは 補聴器の無料レンタルで使えるか試すのがいいかと思います。

認知症の方でも、適切な補聴器を選ぶことで、コミュニケーションの円滑化や、QOLの向上につながることが期待できます。補聴器の購入を検討されている場合は、必ず専門家にご相談ください。

認知症パンフレットもご参照ください。

難聴を放置すると疲れやすくなる?その理由は。

難聴になると、聴覚情報の処理が困難になり、脳がより多くのエネルギーを使って音を理解しようとします。音から得られる感覚が弱くなるため、脳は何らかの形で失われた感覚を過度に補おうとします。聴覚が衰えたぶん、触覚や視覚などをより鋭くしようと一生懸命働くのです。

この過程により、集中力や認知的な負荷が増え、疲れやすくなる可能性があります。

また、難聴になると、普段の会話や環境音などを聞き取るために集中力を高める必要があります。危険を察知するための音も聞こえにくくなることで、無意識のうちに不安になってしまうこともあるでしょう。また、働いている方は、仕事で会話を聞き逃してしまい、業務遂行や人間関係に影響を与えてしまうかも、とストレスが溜まることもあります。

このため、長時間にわたって聴力を補正しようとすることは、脳にとって負担となり、疲労を引き起こす可能性があります。人はエネルギーを失うと、仕事で成果を出したり、活動的でいることが難しくなります。

ですので、難聴者にとって「音を聞く」ということは、沢山の労力とエネルギーが必要なことで、それは極度の疲労感やストレスにさらされることと同じなのです。

さらに、難聴がある場合、周囲の音を聞き逃したり、他の人の発言を確認するためにより多くのエネルギーを使う必要があります。

これにより、日常のコミュニケーションや社会的な相互作用が困難になり、心理的なストレスが増える可能性があります。

その結果、疲労感が増し、日常の活動において疲れやすくなるかもしれません。

このような疲れを避けるには、まずは聞き取りやすい環境を作ることが大切です。

例えば、会議をするときには静かな個室に移動したり、車内では流れる音楽の音量を落としたり、パーティーのような騒がしい環境でおしゃべりするときは人混みを離れたり、ということです。

また、よく言われているのは、十分な睡眠の確保、運動や趣味で気分を切り替える、ストレスや疲れを感じた時に深呼吸でリラックスする等もいいでしょう。

以上のように「年だから仕方ない」と難聴を放置することは大きなリスクとなります。

加えて、難聴を放置すると、疲労感だけでなく、以下のような問題を引き起こす可能性があります。

  • 認知機能の低下: 難聴が長引くと、脳の聴覚処理に関わる部分が萎縮し、認知機能の低下に繋がる可能性があります。
  • うつ病: 聴力低下によるコミュニケーションの困難さや孤立感が、うつ病の発症リスクを高める可能性があります。
  • 転倒リスクの増加: 周囲の音に気づきにくくなり、交通事故や転倒などの事故に遭うリスクが高まる可能性があります。

難聴がある場合は、できるだけ早く医師や専門家に相談し、適切な治療や補聴器の利用を検討することをおすすめします。

補聴器には、脳が音をきちんと理解できるようにサポートする様々な機能が搭載されています。例えば、騒がしい場所では会話と雑音を分けて処理して会話がしっかり聞こえるようにしたり、後ろから声が聞こえてきたらその方向の音にフォーカスしたり、周囲の状況に応じて耳に届ける音量を自動で変更したりなど、複雑かつ繊細な調整を自動で行ってくれるのです。

補聴器を装用したら完全に疲れないということではありませんが、補聴器のこれらの機能が難聴者の聞く努力を軽減し、聞くことで感じる疲れを低減することにもつながります。適切な対策を取ることで、難聴に伴う疲労感を軽減することができる場合もあります。

難聴でお困りでしたら、まずはご相談ください。

なぜ講演会は聞こえにくいのか?離れた声を聞く方法

普通の会話なら補聴器で十分聞こえる方も、講演会などは苦手の方が多いのはなぜでしょうか。せっかくの講演会も聞こえないとガッカリします。

もちろん近くの声と遠くの声でしたら、当然遠くの声のほうが聞き取りにくいのですが、それ以外の原因はあるのでしょうか。

なぜ講演会は聞こえにくいのか

その答えは「マイク」かもしれません。

理由としては、

1.音声は機械を通すと歪む

話者の肉声がマイク→アンプ→スピーカーを通ることで、歪が生じます。

2.座る場所や音響設備の問題

施設によっては音響設備が簡易的な物が使用されていたり、座る場所によって音圧不足になることがあります。

3.反響しやすい壁や天井により残響音がある

壁や天井の材質や構造により、スピーカーからの直接の音声に加えてすこし遅れた反響された音声が何重にもなって聞こえることがあります。また、低音域の反射音が子音をマスキングして聞こえにくくなることもあります。

離れた声を聞く方法

それでは、補聴器をご使用の方はどのようにすれば「マイク」の声(テレビや電話も含めて)が聞き取りやすくなるのでしょうか。

一番聞き取りやすくなる方法はワイヤレスシステムを利用して、音声を直接補聴器に飛ばすことです。

例えばフォナック補聴器のロジャーなどの活用です。

ロジャーとは、リモートマイクシステムで、その目的はマイクを音の信号に近づけることで、距離による影響を克服することです。

どんなマイクでも距離を克服する手助けはできますが、騒音が大きくなると、より高度な信号処理が必要になります。ロジャーなら、指向性マイクロホンを使用して音声に集中し、また環境騒音を推定して自動的にゲインを調整する自動音量調節することが可能です。

ロジャーは、騒音や距離の影響が大きい聞こえの環境を克服するために設計されたマイクシステムであると言えます。

ロジャーの仕組み

  1. マイクロホンで集音: ロジャーマイクロホンが話者の声を拾います。
  2. ワイヤレスで送信: 集音された音声信号が、ワイヤレスで補聴器に送信されます。
  3. 補聴器で受信: 補聴器が受信した信号を処理し、クリアな音声として聞こえます。

ロジャーが役立つ場面

  • 騒音下での聞き取りの改善: ロジャーは、周囲の雑音を低減し、話者の声をクリアに聞き取れるようにします。これにより、レストランや会議室など、騒がしい場所での会話がより快適になります。
  • 距離による聞き取りの改善: 教師の声を教室の後ろの席でも聞き取りやすくしたり、遠隔会議での発言をクリアに聞き取ったりすることが可能です。
  • 複数の話者への対応: マルチトーカーネットワーク機能により、複数のロジャーマイクロホンを同時に使用でき、大人数の会話にも対応できます。
  • 補聴器との連携: ロジャーは、フォナックの多くの補聴器と直接連携し、シームレスな聴取体験を提供します。

フォナック補聴器のロジャーにつきましては、こちらを参照下さい。

ロジャーカタログ

ロジャースタートブック記事

またお持ちのスマホと補聴器を連携させて使用することも可能です。

iPhoneの方はブログ記事「iPhoneのライブリスニングモードを使えば離れた場所の声を補聴器で聞くことができます 」を参照ください。

androidの方はブログ記事「音声増幅 Android デバイスでライブリスニングの使い方  」を参照ください。

補聴器の調整で対応しようとしますと、

1.補聴器の指向性モードを利用して、反響音を拾う範囲を少なくし直接音の比率を高める。

2.残響による子音のマスキングを減らす為、高音域強調のプログラムにする。

3.スピーカーから発せられた音声を必要以上に抑えないようリニア増幅を使ってみる

などがいいでしょう。

騒音性難聴(感音性難聴)に補聴器の効果はないのか? 

騒音性難聴とは

騒音性難聴(感音性難聴)は、内耳の有毛細胞が、強大な騒音によって損傷を受けることにより起こります。大きな爆音、工事現場あるいは大音量で流される音楽といった強大音は、耳を痛める原因にもなります。

また、非常に大きな騒音のある環境を継続的に経験したり、騒音が一定のレベルを超えると内耳の神経終末が損なわれていきます。騒音への反復的な暴露が繰り返されることで神経終末が修復できる範囲を越え、損傷を受けることがあり、難聴へつながります。一度損傷した有毛細胞は再生しないため、完全に元の聴力に戻ることは難しいとされています。

音の大きさは、デシベル(dB)で表現されますが、聴覚専門家の多くは、85デシベルを超える大きさの音に継続的に耳をさらすことによって、引き起こされる聞こえの問題を指摘しています。例えば、日常生活での、一般的な会話は60デシベルのレベルにあたります。芝刈り機の音は90デシベル程度、チェーン・ソーの作動音は100デシベル程度、大きなロック・コンサートでの音は115デシベル程度とされます。

最近の傾向としては、ヘッドホンやイヤホンで大きな音を聞き続けることによって起こるヘッドホン難聴(イヤホン難聴)が増えています。

ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)は、じわじわと進行し、少しずつ両方の耳の聞こえが悪くなっていくため、初期には難聴を自覚しにくいことが特徴です。他の症状として、耳閉感(耳が詰まった感じ)や耳鳴りを伴う場合があります。WHO(世界保健機関)では、11億人もの世界の若者たち(12~35歳)が、携帯型音楽プレーヤーやスマートフォンなどによる音響性難聴のリスクにさらされているとして警鐘を鳴らしています。

騒音性難聴(感音性難聴)の特徴

騒音性難聴は低音域~中音域までの聴力が保たれやすいが、4000Hz以上から徐々に低下する高音障害です。

ですので、母音は聞き取りやすく、子音が聞き取りにくい傾向にあります。特に摩擦音のS、H、F、K、Tなどは高い周波数は聞き取りにくくなりやすいので「サトウ」と「カトウ」のような言葉を聞き間違えることがあります。

騒音性難聴(感音性難聴)は補聴器で治せますか?

感音性難聴の場合、重度の場合は人工内耳を埋め込む手術が必要なるケースが多いですが、軽度から中度の場合は補聴器の使用が勧められるケースがほとんどです。

ひとりひとりの聞こえにあった音を調整できるので、補聴器は感音性難聴に非常に有効です。騒音性難聴は、補聴器で完全に治る病気ではありませんが、残っている聴力を最大限に活用し、生活の質を向上させることは可能です。騒音性難聴の場合、補聴器を使用することで、周囲の音を聞き取りやすくし、コミュニケーションの円滑化を図ることができます。

もし、日常生活で聞き取りにくさを感じたり、聞き間違いが増えているようなら、補聴器を検討することがいいと思います

安い補聴器と高い補聴器の違い 満足度は?

人間誰でも「安くていい物」を買いたいと思うものです。

補聴器も一商品としては同じだと思うのですが、補聴器を選ぶ際にあまりに金額にこだわると、思わぬ落とし穴があります。

もちろんご予算の問題もあるとは思いますが、一般的に補聴器の値段が高いほど、音質や性能が向上し、より快適で効果的な聞こえを提供するための高度な機能が搭載されるので、高い補聴器の方が顧客満足度は高くなります

補聴器の価格差が生まれる主な理由

  • 搭載されている機能: 高い補聴器ほど、雑音抑制機能、指向性機能、自動音量調整機能など、高度な機能が搭載されている傾向があります。これらの機能は、より快適で聞き取りやすい環境を提供してくれます。
  • 音質: 高価格帯の補聴器は、よりクリアで自然な音質を実現するために、高品質な部品を使用しています。
  • 耐久性: 高い補聴器は、耐久性が高く、長期間の使用に耐えられる設計になっていることが多いです。
  • カスタマイズ性: 聴力や生活スタイルに合わせて、細かく調整できる機能が充実している場合があります。

安い補聴器を選ぶ際の注意点

  • 集音器との違い: 安価な製品の中には、医療機器としての認可を受けていない集音器が含まれていることがあります。集音器は、単純に音を大きくするもので、補聴器のように聴力に合わせて調整することはできません。
  • 機能の制限: 高度な機能が搭載されていないため、騒がしい場所での聞き取りや、様々な聴力レベルに対応できない可能性があります。
  • 耐久性: 高価な製品に比べて、耐久性が低く、短期間で故障する可能性があります。
  • 安い補聴器: 予算を抑えたい方や、簡単な機能で十分という方におすすめ。
  • 高い補聴器: より快適な聴取環境を求める方、高度な機能が必要な方におすすめ。

ですが、難聴は人によって、聞こえにくい音の種類や症状が違うため、必ずしも高い補聴器が良い補聴器とは限りません。自分がよく聞こえたい環境で、よく聴こえるための機能が搭載されている自分にあった補聴器を選ぶ必要があります。結局、自分の聞こえ具合に合うかどうかは、実際に補聴器を試して、体験するのが一番です。「値段にも聞こえにも安心・納得してから買いたい」とご希望でしたら、普段の生活の中でいつも通りに暮らしていただき、実際に試してみる試聴レンタルをおすすめします。

大阪補聴器センターで実際に補聴器を購入される方の多くは1台15~20万円程度の方が多いので、上記の比較の中間くらいの感覚になります。

いずれにしてもご予算と補聴器にどこまで望むのかをしっかり相談員に伝えて、最適な選択をして下さい。